病院の検査で受ける放射線に心臓への潜在的リスク。国際研究が過小評価に注意をうながす

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放射線が心臓や血管に与える影響とは
放射線にはさまざまな種類があり、人体への影響は放射線の種類や体のどの部分に照射するかによって異なります。放射線の種類にかかわらず、受ける放射線の量(被ばく線量)は「グレイ」という単位で表されます。過去の研究から、放射線治療のように被ばく線量が多いと(40〜70グレイ程度)、心臓に有害な可能性があると考えられていますが、線量が少ない場合(グレイの1000分の1のミリグレイ単位)の影響についてはよくわかっていません。
そこで今回、日本の電力中央研究所(CRIEPI)、米国、ロシアなどの国際研究グループが、放射線と心臓や血管の病気との関連について過去の研究を集め、分析。正確性などを検証したうえで、過去10年間の研究を中心に93件の研究を検討しました。これらの研究は多くが放射線治療を受けた人や被ばく線量が高くなりがちな職業の人を対象とし、さまざまな心臓および血管の病気の発生率や死亡率を調べたものでした。
低線量でも積み重なるとリスクにつながる
こうして今回の研究で確認されたのが、放射線被ばく線量に応じて心臓や血管の病気の発症リスクが高まることです。
たとえば、すべての心臓や血管の病気についてみてみると、被ばく線量1グレイ当たり11%ほどリスクが高くなりました。低レベルの放射線を何度も浴びると確実に病気のリスクが上昇したという結果です。長期間にわたり検討した研究ではほぼ一貫した結果が得られていました。
ただ、研究グループは、今回の分析研究において喫煙、肥満、高血圧、糖尿病など、心臓や血管の病気の主な危険因子が考慮されていない点を指摘。そのうえで、放射線と病気の関係をより深く理解するためには、より詳細な研究が必要であるとしています。また、放射線が心臓や血管に与える影響について、高線量であってもまだ十分に解明されていない側面もあるとしています。

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