長引く痛みを伴う出産時の傷と便失禁の問題。海外研究が示す深刻度とその解決策は?

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経膣出産2回の人で調査
赤ちゃんが膣から出てくるときに肛門括約筋が傷ついてしまう症状は経膣分娩による肛門括約筋損傷と呼ばれ、便やガスの失禁の原因になります。目に見える損傷であれば、縫合などの処置で修復されますが、超音波検査で調べない限りわからない場合も多く、原因不明のまま便失禁が長く続くことになりかねません。
どれくらいの割合でこの症状が発生しているのか、残念ながら日本でのデータはありませんが、今回の報告を行ったスウェーデン・ヨーテボリ大学の研究グループによると、スウェーデンでは初産の女性の4.5%、2回以上出産経験のある女性の1%で見られるそうです。
この研究グループは、2回の経膣での出産経験者で肛門括約筋の損傷がなかった人と比べて、損傷が1回または2回あった人は、便失禁の発症率が2倍または3倍以上になるという研究結果を以前に報告しています。
今回は同じデータを使って、特に便失禁の重症度と日常生活への影響を比較しました。データとしては、スウェーデンの出産記録などから1987〜2000年の間に2回経膣出産した女性1万1000人以上をランダムに選択し(出産時に肛門括約筋の損傷が1回あった人と2回あった人、それぞれおよそ350人を含む)、郵便やインターネットを利用しておよそ20年後の便失禁の状況やリスク、日常生活への影響などを調べています。
損傷が多いほど重症化
こうして研究から判明したのが、2回の経膣出産からおよそ20年後、出産時に肛門括約筋の損傷が1回または2回あると、累積的に便失禁の症状が重くなり、日常生活への影響も大きくなることです。
具体的に見ると、全体的に気になるレベルの便失禁が見られた人の割合は、損傷がなかった人で3.3%、損傷が1回の人で10.4%、2回の人では16.5%でした。さらに詳しく液状の便失禁を例にとると、損傷がなかった人では高頻度(月に2回以上)

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